集合意識と集合的無意識

集合意識(しゅうごういしき)とは?

→ 多くの人々が共有する“意識レベル”のこと。

例えるなら…

「みんなが同じ方向を向いて考えたり、感じたりしている状態」です。

具体例:

社会で流行っている価値観(例:環境を大切にしよう)

戦争中の国民全体の士気や考え方

SNSで“空気を読む”文化

これは「みんなが意識的に持っている共通認識」なので、「意識できる(見える)」ものです。

集合的無意識(しゅうごうてきむいしき)とは?

→ 個人の意識を超えた、“深いレベルで共有されている無意識”。

スイスの心理学者ユングが提唱しました。

例えるなら…

「人類全体が持っている、深い海の底のような共通の記憶やイメージ」です。

具体例:

神話や昔話に共通するモチーフ(英雄、母、闇、再生など)

夢の中で出てくるシンボル(蛇、海、塔など)

宗教や儀式に共通する感覚

私たちが生まれる前から人類がずっと受け継いできた“こころの遺伝子”のようなものです。

これは無意識なので自分では気づけないけれど、深く影響しているのが特徴です。

■ 違いをざっくりまとめると…

種類 意識 or 無意識 内容の例 共有レベル
集合意識 意識的 流行、常識、世間の空気 国や社会単位
集合的無意識 無意識的 神話、夢のシンボル、原型 人類全体

 

この場合はどっちに当てはまる?

例えば、日本人は神社を神聖な場所として捉えてる人が多く、神社に行くと空気が澄んでるとか違う空気感を感じたりするけど、これはどちらに当てはまるんでしょうか?どちらにも当てはまりそうですよね?

実はこれは「どちらにも当てはまる」現象なんです。

ただし、それぞれの立場から見るとニュアンスが違います。以下に整理してみましょう。

■ 集合意識としての「神社」

→ 日本人が意識的に共有している“価値観・認識”としての神社

「神社は神聖な場所だ」と多くの人が思っている

初詣やお参りなどの文化を“当然のように”共有している

神社に入ると静かにすべき、という“空気”を感じる

これらは「意識的に教えられたり、育まれた価値観」なので、集合意識に属します。

■ 集合的無意識としての「神社の空気感」

→ 無意識レベルで感じる“神聖さ”や“場のエネルギー”

空気が澄んでいると感じる

音が静かに響く感じがする

なぜか心が落ち着いたり、背筋が伸びる

これらは文化的背景を知らなくても、人間として共通に持っている“聖なる空間への感覚”です。

例えば神社じゃなくても「森の中」「巨石」などでも同じような感覚があると思います。

つまり、これは集合的無意識に根ざした感覚や反応といえます。

補足:スピリチュアルな観点から見ると?

神社には「場のエネルギー」「土地の波動」などがあるという考え方もあります。

この“場のちから”を人は無意識に感知しているとされ、これは集合的無意識ともリンクしています。

まとめ

観点 内容 分類
神社は神聖だと知っている 教育や文化で身についた意識 集合意識
神社で空気が違うと感じる 言葉にならない感覚、深層心理の共鳴 集合的無意識

つまり、先ほどお話しした「両方にまたがる」現象であり、“人が文化を通して無意識の領域に触れる瞬間”ともいえるんです。

こういう感覚こそ、私たちが大事にしたいスピリチュアルな知覚ですね。

おすすめの記事